健幸コラム 第十一話 【健幸を目指す生き方へ】

股関節を触れますか?

(ア) さて問題です!股関節を触ってください!

股関節ってどこにあるか知っていますか?私が開催する健幸エクササイズワークショップでは、いつも聞いている質問です。参加者の皆さんに実際に股関節だと思う身体の部分を触ってもらうのですが、9割以上の確率で皆さんは間違ってしまうのです。

では、あなたにも同じ質問をします。今、右手で右の股関節の場所を触ってもらってもよろしいでしょうか?さて、あなたはどこを触っていますか?正しい名称で書くとわかりづらい方もいるので、あえて言い方を変えてお伝えします。おそらくあなたも9割の人が触ってしまう、ビートたけしのギャグである「コマネチ」のところを触っていませんか?

実はこの部位は、鼠蹊部(そけいぶ)という部位です。この鼠蹊部を、股関節であると勘違いしている方が非常に多いのです。関節というのは、骨と骨が接続する部分であるため、股関節の場合は、解剖学的に言うと「大腿骨の骨頭部分」と「骨盤の寛骨臼」で構成されています。大腿骨の骨頭部分は球体をしており、寛骨臼はその球体を填め込むようなソケットのような形になっているのです。この股関節の正しい位置を知っているか、知らないかによって、身体操作は格段に変わってきます。

(イ) 立位体前屈での柔軟性チェック

一体、股関節とはどこのことを表すのでしょうか?私がワークショップでお伝えしている手順に則り、説明してみますので、ぜひ実際に触りながら、股関節の位置を把握してみてください。でも、その前に、股関節を知る前に、立位体前屈をおこなって、柔軟性のビフォーアフターのチェックをしてみます。

まずは、何も考えずに、両脚を揃えて、踵(かかと)と、つま先をピッタリくっつけて、直立します。そこから、両膝を曲げないように、床に手を伸ばして、体前屈をおこないます。床に手をつけますか?床上何センチくらいのところまで屈めますか?太腿の裏や、膝裏のつっぱり感はどれくらいありますか?この感覚がビフォーの状態ということを覚えていてください。厳密に計りたい方は、メジャーを用意して、床上何センチまで手を伸ばせたのか、手を床につけた方は、指だけなのか、手首までつけたのかなどを把握してみると、より正確な変化を感じることができるはずです。

(ウ) 股関節の位置を正しく認識してもらいます

さて、ビフォーが終わったら、次は、股関節の位置を正確に把握しましょう。ここからは、以下の手順で進みますので、両手をフリーに使えるような体制になってください。

それでは、説明します。
①まずは両手でお尻を触ります。
②具体的には、お尻の膨らみの部分より少し内側にある、顔の頰にできる"えくぼ"のように凹む部分を触ってください。
③そこから、太腿の前面へ向かって手を摩っていくと、身体の外側に向けて出っ張っている骨が触れます。
④両脚にほぼ同じ高さで、両側にあるこの骨を大転子と呼びます。
⑤この大転子を手のひら全体で触りながら、両脚で足踏みをしましょう。
⑥すると、大転子がゴリゴリと動くのを手で感じることができると思います。
⑦この大転子から、身体の内側およそ10cm深いところに、先ほどの寛骨臼があり、大腿骨の骨頭部分がくっ付いています。
⑧ズバリ、ここが股関節です。

v011.jpg

(エ) ガラケーのように折り曲げる全身

いかがだったでしょうか?股関節の位置は、ご理解できましたか?この股関節がうまく機能することで、先ほどビフォーでおこなった立位体前屈がどれくらい変化するのか試してみたいと思います。何度も言いますが、股関節とは、大転子から身体側へおよそ10cmのところにありますから、そこを意識してください。

そして、股関節から二つ折りの昔の携帯電話(いわゆるガラケー)のように、折り曲げてアフターの体前屈をしてみてください。さぁ、いかがでしょうか。ビフォーと比べて、より深くまで前屈ができていませんか?ただ、股関節の正しい位置を知るだけで、ストレッチなどの柔軟体操をしなくても、関節可動域は広がるため、体前屈が深くなります。あまり変化を感じない人も、おそらく腿の裏側にビフォーよりもピンと張った感覚があったかと思います。その変化だけでも、骨盤周りの可動性が上がっていることの表れなのです。

これは、ワークショップでおこなえば、9割以上の方が柔らかさを実感します。股関節だけに限らず、関節の機能を知る、正しい動きを知るということは、身体の負担をさげ、効率的な動作に繋がるということです。人体って、本当に面白いです。

私たちD Style Tsukubaは、いつでもあなたの健康相談・カラダづくりへの質問をお待ちしております。お気軽にお問い合わせください。(D Style Tsukuba ホームページはこちら

文責 健幸エンターテイメント(株) 代表取締役 守屋俊甫