健幸コラム第十話 【健幸を目指す生き方へ】
健康になるコツは、肩甲骨にあり
(ア) 五十肩ってどうして起きるのか?
健康になるコツは、肩甲骨にありだなんて、いきなりつまらない親父ギャグを言っていますが、身体のことについて語る時に肩甲骨を外してしまってはいけないくらい、大切な部位なのです。肩甲骨は身体の部位の中でも、歳を経た時に障害が起きやすく、多くの人にとって悩み多き部位でもあります。肩甲骨が関連する代表的な障害として、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩のこと)があります。簡易的な説明になりますが、肩に炎症が起きる時のメカニズムの1つとして、肩関節を構成する上腕骨と肩甲骨の正常な動きが崩れてしまうことが原因となることがあります。
ここでいきなりの質問をしますが、あなたは自分の肩甲骨のみを動かすことができますか?ぜひ、試しに動かしてみてください。どの方向に、どれくらい動いたでしょうか?きっと肩甲骨を意識して動かすことを初めておこなった人もいるかと思います。それほど、骨を動かすという行動自体が、日常生活の中では意識する必要もないし、意識せずとも生きることはできるのです。そもそも骨の可動範囲は、どの人もほぼ同じに決まっています。そのため、ご自身と周りの人の動きを比較すると、自分の可動性が高いのか、低いのかを理解することもできますね。
さて、本題に話を戻しましょう。肩関節周囲炎になるのは、上腕骨と肩甲骨の肩甲上腕リズムという動きが悪くなり、回旋腱板という4つの肩のインナーマッスルが上腕骨の骨頭部と肩甲骨の末端部に挟まれて炎症が起きているのです。急性期には、三角巾などで安静をはかりながら、消炎鎮痛薬の内服や注射などが有効であり、急性期を過ぎてからは、ホットパックや入浴などの温熱療法、肩周りのストレッチやトレーニングを盛り込んだ運動療法などが有効です。余談ですが、実は全身の中でも、肩甲骨は特殊な骨です。肩甲骨の代表的な特徴は、鎖骨とのみ接合し、関節を作っています。つまりは、胸郭(肋骨)と肩甲骨は接合していないのであって、胸郭の上に浮いているように存在しているのが肩甲骨なのです。肩甲骨を自在に動かすことができることで、腕は挙がりやすくなります。腕には、胸側の筋肉、背中側の筋肉も繋がっているため、腕自体が動きやすくなれば、体幹部の前後面共に動きやすくなり、肩こりや腰痛予防にもなるのです。
(イ) 四足歩行から二足歩行への進化
上記のように肩甲骨は、胸郭に接合せず胸郭の上をスライドするように動くのですが、これは私たちヒトが四足歩行から二足歩行に変化し、槍を投げるなどの投擲動作を身につける時に、肩甲骨があらゆる方向へ動けるように進化してきたのです。
しかし、現代社会の人の生活の中で、肩甲骨を動かさねばならないと危機意識を持っている人はいるでしょうか?パソコン操作や、車の運転、スマホの見過ぎによって、猫背となって、首回りの筋肉を使いすぎていないでしょうか?多くの人が経験している肩の痛みを解決するためには、やはり肩甲骨が鍵であり、その周囲の関連する筋群を鍛えていくことが必須です。だからこそ、人体の解剖学に詳しい治療家や、トレーナーなどに一度評価をしてもらうことで、客観的に自分の身体を知る機会を作ってみてください。
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