健幸コラム 第四話 【健幸を目指す生き方へ】

痩せたいの?減量したいの?どっち!vol.2

減量で仕上げた身体の維持は難しい

前回コラムに続いて、今回はアスリートがおこなう減量について紹介します。減量を必要とする競技は限られていますが、特に階級別に戦う競技をおこなっているアスリートにとっては、体重を調整するということは、一つの大会に出られるかどうかの基準にもなるため、かなりシビアに取り組んでいます。よく知られているのは、ボクシング、レスリング、柔道、ボディビルなどが代表的ですね。

では、こういった競技をおこなうアスリートたちは、いつでも大会に出られる基準に、体重に合わせてカラダを維持しているでしょうか?答えは、NOです。多くのトップアスリートは、年中競技をおこなう訳ではなく、大会の時期に合わせてカラダを仕上げているため、1年の中でどの大会でハイパフォーマンスを発揮するのかを計算しています。もちろん、競技によってその手法は異なり、年齢や性別、大会のレベル、目標に合わせておこなわれます。したがって、アスリートが取り組む「減量」は、限られた時期だけのものであり、オフシーズンになれば体重をあえて戻すのです。体重が戻るからこそ、激しい練習に耐えられる持久的な力が高められ、筋肉量を増加でき、さらに筋出力(筋力の最大パワー)などを高めていくことが可能なのです。

私は、昨今の短期集中型のダイエットプログラムが、このアスリートの一時的な「減量」状態に近いのではないかと考えています。つまり、ダイエットの宣伝チラシなどによくあるビフォーアフターの写真は、最高に"仕上がったカラダ"ということです。アスリートだとしても、仕上げたカラダのままで日々のトレーニングをし続けることは、並大抵のことではありません。だからこそ、一般の方々がダイエットに取り組んだとしても、その後も"仕上がったカラダ"を継続することはかなり至難の技であるのです。

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ダイエット=車の免許教習と同じです

私はパーソナルトレーナーとして約7年間の実績を積んできました。筑波大学時代にも減量教室をおこなう研究室に所属していたため、人々を痩せさせることに関しては10年以上も向き合ってきました。私が提案するダイエットプログラムでは、リバウンドをさせないことを前提に"車の免許を取る"意識で取り組んでもらいます。◯◯だけやればいい!●●のみを飲む!といった方法は、ダイエットプログラム期間が終了した後に続かない場合が多いため、そういった手法は使いません。

結局、我々パーソナルトレーナーに依存しないで、自立して、食・運動・睡眠のコントロールができるところまで到達してもらいます。車の免許を取って、公道で車を運転するためには、運転技術を学び、車の性能を知り、交通ルールを把握しなければすぐに事故が起きますよね。ちょっとした気の緩みが事故を招くと言われますが、ダイエット後のリバウンドも、ダイエット期間中の緊張感がなくなり、「ちょっとだけなら食べていいかな」という気の緩みの連続が、結果的に体重を増加させてしまうのです。

事故・違反者には講習が開かれるのと同様、リバウンド傾向にある人へのトレーナーによるアフターフォローをおこなうことによって、再発防止を目指す。「痩せる」「減量する」ことのメカニズムを理解し、短期間の実践を通じて、結果を作り出し、反省から取り組みを振り返り、カラダの状態を保っていくのです。カラダづくりのPDCA(Plan-Do-Check-Action)を回していくためには、ダイエット・減量に関する専門家をうまく活用していくことをお勧めします。かかりつけの医者=かかりつけ医がいるのと同じで、これからの時代には、かかりつけトレーナーも必要になってくるかもしれませんね。

ダイエット目的は「痩せる?」「減量する?」どっちなの?

第3回コラムで記載した「痩せる」とは、体重変動に関係なくカラダの各部位が引き締まった状態を表すとすると、「減量する」とは体重自体が減少した状態です。自分が取り組んでいるダイエット法が、「痩せる」を目指しているのか、「減量する」を目指しているのか、根本的な目的がどちらなのかを明確に、ダイエットは始めるべきです。流行りのダイエットをおこなっても、ネット上では「リバウンドしているのだから、効果がないよね・・・」と評価されてしまうのは、言葉の定義が曖昧だからこそ起きてしまう、非常に勿体無いことです。ダイエットを取り組まれた方のほとんどは、ダイエット期間が終われば減量した分の10−20%程度は増量しますから、それをリバウンドと言ってしまわない知識と、対策が必須ですね。

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